セラミック、最高! ちがう、再考。
公開日 2023/09/25 更新日
2021年の11月にセラミックテーブルについて書きました。
一部、画像を割愛してコピペしてみます。
ーーーーー 過去記事・ここから(一部割愛してコピー&ペースト) ーーーー
セラミック批判 ~ 味噌汁も冷めるわっ! ~
住宅設備の大手メーカー リクシル様のシステムキッチンのワークトップとして大ヒットしているセラミック素材。
その人気は家具にも波及していて、セラミックトップのダイニングテーブルのご要望が非常に多くなっています。
セラミック素材の長所は、
- 硬くてキズつきにくい(というか、キズつかない)
- 経年変化もほぼない
- リクシル様のシステムキッチンと見た目の相性が良い
- なんかCOOLでカッコイイ
というところでしょうか。
でも、モノには全て長所と短所があるものです。
短所は
- 冷たい(冬は触りたくもないし近付きたくもない。お子様はセラミック天板での宿題を嫌がる(たぶん)。味噌汁もコーヒーも早く冷めるし、なんなら部屋の温度を下げ、心の温度さえも下げる(たぶん)。そもそも味噌汁も焼き魚も似合わない(たぶん)。)
- 「家族の歴史と共に時を刻む」といった良い家具が持つ本来の味わいに欠ける
- 一時的な流行り廃りの波の中にあるフォルム(5年後は古臭く感じる(たぶん))
- 角に頭をぶつけると命にかかわる(たぶん)
- セラミックのテーブルで家族会議を開くと変な空気になる(たぶん)
というところでしょうか?
すみません。後半 だいぶ私見が強いです(^^;短所を説明している家具屋さん、あるいはネット上の情報といったものが極端に少ないようですね。
少なくとも私は目にしたことがありません。
もっとも一般的に家具屋は短所を説明しませんし、ネット上の情報はド素人が極めて少ない知識と経験を元に、批判的な人は鬼の首を取ったようにネガティブな面を強調するし、自己肯定感の強すぎる人は自分の世界観に浸って夢見事をとめどなく垂れ流す、というのが関の山です。
(スミマセン、ここの一段落、断じて僕の意見じゃありません、一般論です)
少し残念なのは、
お若い方なら、セラミックのチョイスというのも分からなくはないのですが、人生の酸いも甘いも知り尽くした年齢層のお客様の場合も、時としてセラミック素材のテーブルが選択肢に上がっていることです。
短所を知っていただき、ぜひ再考を、と思ってしまいます。
適材適所の素材の選択というものがあります。
システムキッチンのワークトップにセラミックのチョイスは悪くないと思います。しかし、ダイニングテーブルは…
上から目線で、再々すみません…
でもホントに心の底からそう思うのです。
あぁあ、今日も言いすぎちゃった…
閉店の時間です。
2021.11.21 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋
2021.11.26 追記
このブログをご覧いただいたお客様から「セラミック素材のテーブルの取り扱いはないのか?」というご質問が複数ありました。
当店でもセラミック素材のテーブルは展示中です。「長所が短所を上回る」とお考えのお客様にはぜひお求めいただきたいので、ご来店をお待ちしております。
ーーーーー 過去記事・ここまで ーーーー
だいぶ尖った文章でしたが、この点 改めてお詫びいたします。
(文中、「デメリットを説明している情報が少ない」とありますが、最近はちょこちょこ目にするようになりました。)
当時、セラミック素材は一時的なブームで、1年ももたずに市場から消え去り、「セラミック? 古っ!」という時代がすぐに来るだろうと予想していました。
現に家具、インテリアの一過性のブーム製品というのは山のように例があります。
ところがセラミックの場合、その後ますます隆盛を極め、量販店のダイニングテーブル売場は7割がセラミック製と言っても過言ではないほどです。
私の予想は見事にハズレました。
それでもなお、私はセラミック製テーブルに疑問を抱いています。
上記の過去記事中のデメリットに加え、最近、さらに2点の懸念を持っています。
① 強化ガラスにセラミックを貼った構造の天板の 強化ガラスの突然の破損
実例は決して多くはないようですが、セラミックと組み合せた強化ガラスが突然、爆発的な破損をすることは起きているようです。
↑強化ガラスにセラミックを貼り付けたテーブル天板
「爆発的」と書きましたが大袈裟な表現ではなく、強化ガラスの破損の瞬間はドキッとするような、ちょっとした「爆発」に近いものがあります。
(セラミックとは無関係に、強化ガラスはそもそもそのような性質を持っています)
強化ガラスに飛散防止フィルムなどで破片が散らばらないようになっている場合が多いので、ガラスが割れてもセラミックの強度と合わせてテーブルとしての形は保つようですが、側面や裏側から見ると全面に細かなひび割れが生じているのがよく分かります。
裏側ですが、なんならキラキラ光ってとってもキレイです(^^;
これは強化ガラスの持っているデメリットの一つですが、セラミックとガラスの熱膨張率の差も一因になっているのではないかな?と考えています。
またセラミック天板の基盤として強化ガラスではなくMDF等の素材を使用しているものもあります。
この場合は長期使用にわたる クリープ変形=たわみ がセラミックに及ぼす影響の心配もあるだろうなあと考えています。
MDFがたわんでいるのに、セラミックがたわまず、靭性の小さなセラミックに大きな負担がかかる、というようなことです。
② 最終的な処分方法
ただでさえ家具の処分には困っていらっしゃる方が多いですが、セラミックは最終的にどうやって処分すればいいのか…
セラミック製の包丁は「燃えないゴミ」という区分、と書いてあるWEBページがありました。
テーブルは大丈夫なのかな???
なんか、すごいお金がかかりそう…分かりませんが。
当店では引き続き、家族と共に時を刻んで風合いを増し、思わず触れたくなるような温かみのある天然木のテーブルにこだわって、品揃えをしていこうと考えています。
2023.9.23 インテリアコーディネーター(950487A) 小川登志洋